握った暖かな手
その先、手首から上はなかった
感触を覚えている
体温を覚えている
撫でる指を覚えている
思い出にただ或る優しさはぽかりと浮かんでいた
愛しく呼ぶ声を
前を歩く後ろ姿を
確かに覚えているのに
わたしはそれらとこの手を
二度とつなぎ合わせることはできないのだ
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