ピシリ、ヒビが入る
(あ、)
見開いた目に飛び込むのは欠けた己の左腕
伸ばした手は何も掴めないまま破片になった
(しまった、な)
侵略する歪な線がピキピキと喘ぎ
風景はゆっくりと傾いで、平行感覚も意味をなくす
(まだ何も守ってないのに)
強張った唇から送り出される吐息だけが暖かい
それも砕ける自身には無駄なものだと知れた
(ああ、でも)
ぐらり、仰いだ太陽が網膜を焼く
空はただ青々と広がっていた
(やっと、夢を見られる)

カシャン、と体が割れる音がした